子供の成長サポートに必要な「アルギニン」を多く含む食品と料理一覧

「アルギニン」は子供の成長に必要な栄養素の一つです。

そのため成長期のお子さんがいる家庭では、積極的にアルギニンが含まれた食品を取り入れて、意識的に摂取するのが理想です。

ただ、アルギニンがどのような栄養素か分からないと、安心して食事に取り入れづらいのではないでしょうか。

ここではアルギニンがどのような栄養素なのか、どのような食品に多く含まれているのかを詳しく説明します。

どのような食品にアルギニンは多く含まれるのか

子供の成長サポートに役立つアルギニンですが、どのような食品に含まれているのでしょうか。

アルギニンを多く含んでいる食品は、大きく4つの種類に分けられます。

1. 肉類

お肉はカロリーや脂肪が多いイメージですが、栄養満点でアルギニンも多く含まれています。

肉類であれば、鶏でも牛でも豚でもアルギニンは豊富に含まれているため、量を調節して上手く使いましょう。

2. 魚介類

食品の中で最もアルギニンを多く含有しているのが魚介類です。

鰹節などの加工品でも問題ありません。

3. 大豆製品

アルギニンはもちろん、大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど栄養満点で積極的に食べたい食品です。

しかもヘルシーな食品のため、カロリーや脂肪を気にする必要もありません。

4. ナッツ類

ナッツも栄養満点な食品として有名ではないでしょうか。

ナッツにもアルギニンが豊富に含まれているため、子供にも積極的に食べてもらいたい食品です。

ただし、ナッツ類はカロリーが非常に高くなります。しかも塩和えをしてあるものだと塩分過多になる可能性も考えられます。

ナッツ類を子供に食べさせるときは量を調節し、できるだけ無塩が理想です。

アルギニンは子供の必須アミノ酸

そもそも「アルギニンってなんなの？」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

子供の成長に必要なものと言われても、その正体が分からないと不安です。

アルギニンとはアミノ酸の1種です。アミノ酸の中でも塩基性が高いといわれています。アミノ酸の中には必須アミノ酸に指定されているものがありますが、アルギニンは必須アミノ酸ではありません。

しかしながら、アルギニンは摂取後に速やかに分解される特質から、子供に限っては必須アミノ酸に指定されています。つまり、子どものうちに積極的に摂取したい栄養素の一つです。

アルギニンの主な5つの役割

アルギニンには主に5つの役割があります。(参照：官公需適格組合 協同組合藤沢薬業協会の情報を抜粋)

目的	説明
成長ホルモンの分泌促進	脳下垂体から分泌される成長ホルモンの分泌を促進
疲労回復を促進する	アンモニアによる疲労の回復を促進
免疫力をサポート	免疫細胞が活性化し、免疫力をサポート
筋肉の減少防止	活発な運動で消費されたエネルギーを筋肉から補充する
血管を拡張する	サラサラな血液を保ち、健康的な体の維持

1つ目は成長ホルモンが分泌するのを促すこと。成長ホルモンが脳下垂体から分泌されるのをお手伝いします。

2つ目は疲労回復です。疲労はアンモニアによってもたらされますが、それらを無害化すると言われています。

3つ目は、免疫力を上げることです。アルギニンを摂取すると、免疫細胞が活性化しサポートしてくれます。

4つ目は、筋肉の減少を防ぐことです。子供が活発に動いてエネルギーを消費すると、足りなくなったエネルギーを筋肉から補充して筋肉が減少する場合があります。アルギニンにはエネルギーの代わりをする役割があります。

5つ目は、血管を拡張することです。サラサラな血液を保てるようになると言われています。

アルギニンの安全性と摂取量について

アルギニンが子供の成長サポートに良いことが分かったとしても、その安全性と摂取量が気になるのではないでしょうか

意識的に摂取するにしても、アルギニンを豊富に含んでいる食品を食べ過ぎるのはよくありません。

アルギニンはそもそも、からだの中でも生成されるアミノ酸です。前述しましたが、子どものうちはその生成量が少ないことから必須アミノ酸に指定されています。

速やかに分解されるため、特に必要量を合成できない子供では必須アミノ酸になっているが、成人では必須アミノ酸ではない

引用元：国立スポーツ科学センター「アルギニン」

子どもに限定すると、積極的に摂取した方がいい栄養素の一つとされています。

もちろん、適切な量の摂取が理想的です。適切な量というのは普段の食事で摂取できる範囲です。

意識的に料理で摂取したアルギニンの量くらいでは、安全性が損なわれる可能性は低いと考えられています。

経口摂取(サプリなど)での有効性は確認されていない

子供の成長サポートに役立つアルギニンですが、一つだけ知識として覚えておいてください。

それは「経口摂取における有効性は確認されていない」ということです。経口摂取とは喉を通って摂取することです。

現在サプリメントとして販売されているアルギニン製剤は、多くの場合に200mg～2ｇの錠剤で、内服薬です。その全部が吸収されて血中に移行したとしても分泌刺激試験の10分の1ぐらいの量となり、全部がそのまま吸収されないことや代謝などを考えると、血中のアルギニン濃度はわずかな上昇に留まるのではないかと考えられます。従って、サプリメントの服用で成長ホルモンの分泌が促進するとは考えられません。

引用元：日本小児内分泌学会「身長を伸ばす効果があると宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」

喉を通って摂取するということは、アルギニンを豊富に含む食品を使った料理も当てはまりますし、サプリなどを摂取した場合も該当します。

有効性はないがアルギニンは摂取すべき栄養素の一つ

経口摂取だと有効性がないからといって、子供の成長のためにならないわけではありません。

そもそも、子どもの場合は必須アミノ酸に指定されているため、豊富な食品を積極的に料理に取り入れて摂取するのが理想です。

もちろん、アルギニンを豊富に含んでいる食品を摂取したからといって、すぐに何かが変わるわけではありません。

子供の健やかな成長と健康を保つためにも、バランスよく栄養素を摂取するのが理想的です。

成長途中の子供というのは、心もからだも非常にデリケートです。心とからだを安定させるためには、バランスよく栄養を摂取することも大切です。

アルギニンを多く含んだ食品一覧

アルギニンを豊富に含んでいる食品を料理に取り入れるためには、どのような食品に、どの程度のアルギニンが含まれているのか事前に把握しましょう。

ただし、正確に含有量を把握する必要はありません。

アルギニンが豊富に含まれている食品の中でも「この食品よりこっちの方がアルギニンが多い」ぐらいの認識で問題ありません。

アルギニンを多く含んだ食品というのは、アルギニンだけを豊富に含んでいるわけではありません。結果的に様々な栄養を摂取することができるため、子供の成長をサポートできます。

アルギニンを多く含んだ食品には、他にどのような栄養素が含まれているのか知ることも大切です。そんなアルギニンを豊富に含んでいる食品として、主に5つの食品をご紹介します。

1. ゼラチン(豚)

1つ目は、「ゼラチン(豚)」です。アルギニンを多く含んでいる食品の中でも、ダントツの含有量を誇っています。もちろん、子供の成長サポートのために、料理にも使える食品です。

ゼラチン(豚)のアルギニンの含有量は、100ｇあたり7900mgです。アルギニンを豊富に摂取したい場合は、ゼラチン(豚)を料理に使ってみてはいかがでしょうか。

ゼラチン(豚)にはアルギニンのほかに、ビタミンB12やナトリウム、鉄などが含まれています。

アミノ酸でいうと、アラニンやグリシン、イソロシンなどが含まれています。

ゼラチン(豚)にはアミノ酸も豊富に含まれているため、アルギニンに加えてアミノ酸を摂取したい場合は、ゼラチン(豚)を料理に取り入れるのがおすすめです。

2. 湯葉

2つ目は、「湯葉」です。湯葉は高級料亭で出てくるもの、というイメージを抱く方もいるのではないでしょうか。

豆乳を熱したときに表面にできる薄皮で、刺身で食べるのが一般的です。

そんな湯葉には、アルギニンが豊富に含まれており、成長している子供に食べさせたい食品の一つです。湯葉に含まれているアルギニンの量は、100ｇあたり4400mgであり、大豆製品の中では含有量が多いです。

したがって、大豆製品の中で効率よくアルギニンが豊富な食品を料理に使いたい場合には、湯葉がおすすめです。湯葉はスーパーなどで乾燥湯葉として売られていることが多いため、意外と簡単に手に入れられます。

3. 鰹節

3つ目は「鰹節」です。前述した通り、魚介類はアルギニンが豊富に含まれている食品で、その加工食品である鰹節にもたくさん含まれています。鰹節は普段から料理に取り入れている家庭も多いのではないでしょうか。

そんな鰹節が子供の成長に役立つとあれば、ぜひ毎日の料理にも使いたいところ。鰹節のアルギニンの含有量は、100ｇあたり4000mgであり、魚介類の中でも含有量が多い部類です。

鰹節はアルギニンだけではなく、ビタミンやミネラル、アミノ酸も豊富に含まれています。大人も子供も積極的に食べたい食品の一つです。

4. 大豆

4つ目は「大豆」です。大豆製品にアルギニンが豊富に含まれているため、当然ながら大豆にも豊富に含まれています。大豆とは、枝豆が成熟した状態を指します。

大豆に含まれているアルギニンの量は、100gあたり3000mgです。大豆製品は栄養が豊富で、大豆にもたくさんの栄養が含まれています。ビタミンやミネラルが豊富に含まれている他、アミノ酸も含まれています。

ただし、ビタミンの中でもビタミンAと、ミネラルの1種であるナトリウムについては含有量が多くありません。他の食品と一緒に摂取するのが理想です。

5. にんにく

5つ目は「にんにく」です。にんにくは食べると臭いの気になる食品ですが、元気の源になってくれます。もちろん、子供の成長にもサポートしてくれるため、適量を摂取するのが理想です。

にんにくのアルギニンの含有量は、1カケ(6ｇ)あたり58.2mgです。100gに換算すると約1000mgとなり、他の食品と比べるとアルギニンが豊富であることが分かります。

にんにくに含まれている栄養素といえば、ビタミンB6や葉酸、カリウムなどです。にんにくを大量に食べる機会はないかもしれませんが、他の食品と合わせて料理すれば、味わいも深まりますし、栄養もしっかり摂取することが可能です。

アルギニンを多く含んだおすすめ料理一覧

「アルギニンを多く含んだ食品が分かっても、どんな料理に活用すれば良いかわからない」という方もいるのではないでしょうか。

毎日の献立というのは、お母さんたちの頭を悩ませるものです。

しかも、食品が分かっても自分のレシピで活用するとなると、どうしてもワンパターンになりがちです。子供の健やかな成長を考えると、色々なレシピを知っておいて損はありません。

アルギニンを多く含んだ食品についてのおすすめの料理がいくつかあります。好き嫌いのある子供でも食べられるようなレシピばかりです。

1. 豚の角煮

まず、ゼラチンをたっぷり含んだ豚の角煮です。

豚をそのまま料理すれば、アルギニンだけではなく豚に含まれている栄養もしっかり摂れるため、子供の成長をサポートしてくれます。

調理方法

まず、豚バラ塊肉400ｇを8等分し、油を入れて熱したフライパンに、脂肪の厚い部分を下にしてから焼きます。全体を焼いたら、肉の周りについた油をペーパーでふき、深めの鍋にたっぷりの水・青ネギ1/2・しょうが1/2片と一緒に入れて煮込みます。

沸騰したら弱火にして1時間煮込んでください。1時間経ったら一度肉の周りについた油をペーパーでふきとり、鍋に戻し入れます。そこにだし汁1カップ・砂糖大さじ2・酒100ml・みりん大さじ1・醤油大さじ1を加えて煮立たせます。

煮立ったら弱火にして、落し蓋をして30分煮込みます。30分経ったら、ゆで卵2個を加えてさらに30分煮込みます。全体的に照りが出て来たら、豚の角煮の完成です。子供も大好きな味付けです。きっと喜んで食べてくれるでしょう。

2. 鰹節のアルギニンふりかけ

子供の成長サポートに役立つ鰹節は、そのまま食べてもいい食品ですし、サラダや冷ややっこなど様々な料理の薬味として使えます。

鰹節をメインに調理する料理を知っていると、さらにレパートリーを増やすことができます。

調理方法

まず、鰹節200ｇをフライパンで乾煎りします。全体的に乾煎りができたなという段階になったら、醤油大さじ7・酒大さじ6・砂糖大さじ1/2・水大さじ1・ごま油小さじ1を入れて煮立たせます。

これらの調味料の量はあくまでも目安となり、お好みの量に調節しても構いません。調味料が煮立ったら、弱火にして水分がなくなるまで煮詰めます。このとき、焦げないように注意して、軽く混ぜながら煮詰めます。

水分が飛んだら白ごまをまぶして完成です。白ご飯にかければいつでも食べられて、子供の栄養サポートにおすすめです。一度に多くつくっておけば、白ご飯の味付けにちょうど良いので重宝できます。

3. にんにく

にんにくもアルギニンを豊富に含む食品です。にんにくは一工夫すれば、子供も喜んで食べてくれるようになります。

その名も「にんにくの丸焼き」です。

にんにくを丸焼きにすると、じゃがいものような食感でホクホクして美味しいです。子供にも大人気のレシピになってくれます。

にんにくの丸焼き

まず、にんにく丸ごと1個を準備し、皮はむかずににんにくのお尻を包丁で切ります。硬いところがカットできればOKです。

アルミホイルににんにくのお尻を下にして、塩をひとつまみかけます。その上から、ごま油を大さじ2かけます。このとき、こぼれないように注意してください。

そして、巾着のようにアルミホイルをすぼめてにんにくを包みます。これを魚焼きグリルの強火で約6分焼きましょう。6分経ってアルミホイルをあけて、にんにくをひっくり返して透明感があれば完成です。

4. 大豆

アルギニンを豊富に含む大豆ですが、お母さんの中にはいまいち大豆の料理方法が分からない方もいるのではないでしょうか。

子供の成長サポートに良いといわれても、レパートリーが増やせないと食品の良さを活かせません。

大豆を料理する上でネックになるのが、乾燥大豆を戻す方法です。この方法が分からずに、大豆の調理を諦めている方も多いのではないでしょうか。実は簡単に戻すことが可能です。

乾燥大豆を戻す簡単な方法

まず、大豆を大き目のボウルに入れて、優しく洗います。そこに大豆の量の3倍の量の水を入れて、つけておくだけです。つけ時間は、夏場は8時間・冬場は10時間が目安です。つけ終わった大豆を1粒割って、中まで水が浸透していれば完成です。

この戻した大豆は、煮込み料理などに使えます。サラダに使いたい場合には、火を通していないので、一度湯がいてください。大豆のトマト煮込みなどは、子供でも食べられる料理ですので、レパートリーになるのではないでしょうか。

アルギニンのサポートを目的とした成長補助食品

アルギニンを豊富に含んだ食品についてのレパートリーを知ったとしても、それを食卓に活かせないという親御さんもいるはずです。

中には料理が苦手な方もいるはずです。また、どんなに味付けを工夫しても好き嫌いが多くて食べてくれないお子さんもいます。

そんなときは決して無理をする必要はありません。

「アルギニンの摂取が少ないな」と感じたら、選択肢の一つとして活用できるのが、アルギニンが含まれた『子供用サプリメント』です。便利なものはどんどん活用していきましょう。

子供の成長に必要なアルギニンを含んだサプリは様々なものが販売されています。子供用のサプリを活用する場合には、親御さんが管理してあげることが理想です。

アルギニン配合の子供用サプリも販売されている

子供用サプリから一部ピックアップすると、「ノビルンジャー」や「ノビエース」「プラステンアップ」にアルギニンが含まれています。

アルギニンは子供の成長サポートに必要なアミノ酸のため、子供の成長サポートを目的とした子供用サプリに含まれています。

注視すべきは前述した「アルギニンは経口摂取しても有効性がない」ということ。

もちろん、成長ホルモンを分泌するかどうかの観点でいうと、サプリで摂取したとしても有効性は確認されていません。

ただ繰り返しになりますが、アルギニンは子供の成長だけではなく、体に必要なアミノ酸なので無駄ではありません。

さらに子供用のサプリは子どもが飲みやすい味に工夫されているため、継続のしやすさが嬉しいポイントです。

まとめ

アルギニンは、子供の成長サポートに役立つといわれているアミノ酸です。それは成長をサポートできる役割があるからです。

一方、「経口摂取だと有効性が確認されていない」というのも分かって頂けたのではないでしょうか。

もちろん有効性が確認されていないからといって、アルギニンは積極的に摂取したい栄養素の一つです。

体が成長している子供においては、料理にアルギニンを豊富に含む食品を取り入れて、積極的に摂取するのが理想です。

アルギニンを豊富に含む食品といえば、魚介類や肉類など様々ありますが、子供によっては好き嫌いがあるため摂取が難しい場合も考えられます。

料理が苦手だったり、仕事が忙しかったりする親御さんだと献立を考えるのも一苦労です。そんなときに役に立つのが、アルギニンが含まれた子供用サプリです。

子供の成長サポートのために、サプリメントも選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。