嘘情報に要注意！プロテインを飲むと身長伸びない？【真相調査】

プロテインについて調べると「子供のときにプロテインを飲むと身長が伸びなくなる」といった意見や、反対に「プロテインは身長を伸ばす効果がある」と意見がバラバラです。

そこで今回、プロテインについて身長サプリ(子どもの成長補助食品)との違いも交えながら解説していきます。

プロテインとは

「たんぱく質」を英語でプロテイン(protein)と呼びます。たんぱく質はアミノ酸(アルギニンなど)が複数結合したもので、筋肉や骨、臓器、皮膚などの材料になります。

筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体構成成分、ホルモン・酵素・抗体などの体調節機能成分、豆・卵・肉・魚などの食品成分として存在する重要な栄養素。

引用元：e-ヘルスネット・厚生労働省「たんぱく質について」

また、それ以外にも成長ホルモンなどのホルモンや細菌やウイルスから身を守ってくれる抗体などの調節する働きもあります。

健康に生きていくうえでは欠かせないもので、炭水化物・脂質とともに三大栄養素の一つとして数えられています。

たんぱく質を摂ることによって、体を大きくしたり、筋肉をつけたりします。スポーツ選手だと主に筋肉をつけることを目的に利用されています。

子供でもプロテインを飲んで問題ないの？副作用は？

プロテインや身長サプリは薬ではなく栄養を補助することが目的の”栄養補助食品”です。

商品に記載されている目安量を守って摂れば、基本的には薬のような副作用がでる心配はありません。

商品に記載されている目安量を守ってさえいれば、過剰摂取になる可能性は低いです。

過剰摂取ではなくアレルギーに注意

最後に気をつけてほしいのが「アレルギー」です。

プロテインや身長サプリは食品なのでアレルギーに気をつける必要があります。

種類によってはアレルギーを表示する義務のある「乳・大豆・ゼラチン」などが原材料に表記されています。

プロテインを飲むと身長は伸びないのか

結論からいうと、プロテインを飲んでも身長の伸びは止まりません。

プロテインを飲むと「筋肉がつきすぎて身長が伸びなくなる」「プロテインを飲むと肥満になる」といった噂がありますが、どちらも間違いです。

本記事のメインテーマとなる内容ですが、それぞれ詳しく解説していきます。

「筋肉がつきすぎて身長が伸びなくなる」は間違い

「筋肉がつきすぎて身長が伸びなくなる」ですが、これは間違いです。たしかに、筋肉によって骨が固められ伸びなくなるイメージを持ってしまうのではないでしょうか。

実際は筋肉というのは力を入れたときだけ固く、力を入れなければ伸びるほど柔軟なものです。

年間で数センチずつ伸びる骨の邪魔をする可能性は低いです。

筋肉をつけるために過度な運動をするのではなく、子供が楽しくできる環境にしてあげると成長をサポートできます。

「プロテインを飲むと肥満になる」は間違い

プロテインは高たんぱく質・低カロリーとなっているので基本的に飲んでいて肥満になる可能性は考えにくいです。

身長をサポートするために必要な栄養素とは

身長をサポートするために必要な栄養素のうち以下6つは特に重要です。

中でもアルギニンは成長ホルモンを分泌させる働きがあると言われていますが、日本小児内分泌学会は「サプリメントで摂取しても意味はない」と答えています。

現在サプリメントとして販売されているアルギニン製剤は、多くの場合に200mg～2ｇの錠剤で、内服薬です。その全部が吸収されて血中に移行したとしても分泌刺激試験の10分の1ぐらいの量となり、全部がそのまま吸収されないことや代謝などを考えると、血中のアルギニン濃度はわずかな上昇に留まるのではないかと考えられます。従って、サプリメントの服用で成長ホルモンの分泌が促進するとは考えられません

引用元：日本小児内分泌学会「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解

しかし、海外の研究結果では「アルギニンは成長速度に大きく関連している」とでています。

「Dietary arginine and linear growth: the Copenhagen School Child Intervention Study.」によると結果は「アルギニンは成長速度と大きく関連している」と報告しています。

研究は「習慣的にたんぱく質を摂取したうえで、アルギニンを摂取することで成長速度の伸びに影響するか」という内容で、このような結果が出たそうです。

さらに「Oral arginine improves linear growth of long bones and the neuroendocrine mechanism.」という別の実験ではラットに経口投与でアルギニンを摂取させると「脛骨と大腿骨の成長幅が増加」したとも報告されています。

条件は違いますが、様々なデータがあるためアルギニンに過度な期待をするのはやめましょう。

プロテインは6つの内の一つ”たんぱく質”を補えるようになっています。たんぱく質は体の材料になるので重要な栄養素の一つです。

プロテインを摂取する意味はないのか

プロテインで成長に必要なたんぱく質を補うことができると述べましたが、実は子供の成長にはプロテインは特に必要ありません。

なぜならデータ上、すでに必要摂取量を満たしているからです。

まずはたんぱく質の必要摂取量を見てください。その後、普段どれぐらい摂れているのか平均摂取量を解説します。

たんぱく質の必要摂取量を確認

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年版の概要」を参考に男女別でたんぱく質の必要摂取量をまとめていきます。

男子のたんぱく質必要摂取量

年齢層	必要摂取量 (g)
1歳～2歳	20
3歳～5歳	25
6歳～7歳	35
8歳～9歳	40
10歳～11歳	50
12歳～14歳	60
15歳～17歳	65

9歳から10歳、11歳から12歳になる際にたんぱく質の必要摂取量が10g増えます。

この年齢はちょうど成長期を迎える年齢です。そのためたんぱく質の必要摂取量が他の年齢に比べて増えます。

女子のたんぱく質必要摂取量

年齢層	必要摂取量(g)
1歳～2歳	20
3歳～5歳	25
6歳～7歳	30
8歳～9歳	40
10歳～11歳	50
12歳～14歳	55
15歳～17歳	55

たんぱく質の必要摂取量は上記のようになっています。

お子さんの年齢性別にあった必要摂取量をここで確認しておいてください。

次に普段どれだけ摂取できているのか確認してみましょう。

たんぱく質の平均摂取量を確認

厚生労働省「平成27年国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に男女別でたんぱく質の平均摂取量をまとめていきます。

お子さんの性別、年齢にあった平均摂取量を確認してみてください。

男子のたんぱく質平均摂取量

年齢層	平均摂取量 (g)
1歳～6歳	46.7
7歳～14歳	74.2
15歳～19歳	92.6

女子のたんぱく質平均摂取量

年齢層	平均摂取量 (g)
1歳～6歳	42.4
7歳～14歳	65.1
15歳～19歳	67.5

たんぱく質の平均摂取量は男女ともに推奨量を大きく上回ることができているため、過不足は確認できません。

プロテインが必要ない理由

たんぱく質の平均摂取量と推奨量を比較すると、子供はたんぱく質を十分に摂取できていることがわかります。

よって、たんぱく質がメインとなるプロテインを飲む必要性はありません。

成長サポートなら身長サプリも選択肢に

プロテインは主にたんぱく質を補うことが目的です。

しかし、こどもの栄養を補助する目的の身長サプリなら子供の成長サポートをバランスよく考られているので、たんぱく質以外のカルシウムやマグネシウム、亜鉛などの栄養素もサポートできるようになっています。

もちろん、プロテインにもたんぱく質以外の栄養素は入っていますが、あくまでメインはたんぱく質です。

どうしてもプロテインにこだわっているなら「ジュニアプロテイン」という子供向けのプロテインがあるため、そちらを検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

「プロテインを飲んでも身長が伸びなくなる」ということはありませんが、厚労省の推奨摂取量を満たせているたんぱく質がメインとなっているため、必要性はあまり感じられません。

身長をサポートするためには、さまざまな栄養をバランスよく摂ることが理想です。

もちろんそれは分かっていても、「仕事が忙しい」「料理が苦手」などの理由から自力で作るのが難しい親御さんもいるではないでしょうか。

理想はプロテインや身長サプリに頼らず、食事の栄養バランスを整えて成長していくことです。それが難しい場合は、身長サプリを選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。