ビタミンDとは？子供の成長をサポートする栄養素なのか徹底解説

大切な栄養素の一つとして認識されているビタミンDですが、どのような栄養素なのかご存知でしょうか。

「からだには良さそうだけど、子供の成長や身長をサポートするのに必要な栄養素かどうかが分からない…」という方もいるのではないでしょうか。

「なんとなく良さそう」というだけではなく、期待できるのか、どのような役割を果たすのかをしっかり知っておきたいところ。そうすれば、意識的な摂取につながり、子供の健やかな成長をサポートできるはずです。

そこで今回は、ビタミンDとはどのような栄養素なのか、子どもの成長をどのようにサポートするのか徹底解説します。

ビタミンDはどのような栄養素なのか

「ビタミンD」というと、子供の成長に必要な栄養素の一つであることはなんとなく分かりますが、それがどう子供の成長や身長に影響するのかが分からない方もいるのではないでしょうか。

ビタミンDには、機能性たんぱく質を活発にする役割があります。機能性たんぱく質が活発になると、骨格などの発育をサポートしてくれます。

つまり、子供の身長に関係があるとも言えます。

さらに神経の伝達や筋肉の収縮にも機能性たんぱく質が大きく関わっています。

ビタミンDをしっかりと摂取することは、子供のからだが正常に成長することについて総合的に関わってきます。

ビタミンDのすごいところは、食事からの摂取だけではなく、からだの中で生成できることです。ただし、ビタミンDをからだの中で生成するためには、ある条件を満たす必要があります。

その条件というのは、「日光に当たる」ということです。わざわざ、熱中症の危険性を冒してまで太陽の光に当たる必要はないので、夏場は時間帯を気にしながら外で遊ばせると良いでしょう。

それに、ビタミンDを生成するのに必要な日光は、そんなにたくさんではありません。数分間、手のひらを太陽に向けるだけでもOKです。

しかし、子供の体力をつくることを考えると外で遊ばせる機会を設けた方が無難です。

成長に欠かせないカルシウムとビタミンD

「子供の成長に欠かせない栄養成分は？」と聞かれたら、真っ先に出るのはカルシウムではないでしょうか。カルシウムは、骨や歯を形成するのに欠かせない栄養素の一つで、子供の成長にも密接に関わりがあります。

子供にサプリを飲ませようと考える際も、カルシウムが豊富に含まれている商品から選ぶ親御さんも少なくありません。

そんなカルシウムと密接な関係にあるのがビタミンDです。

カルシウムというのは非常に吸収率の悪い栄養成分です。そのため、たとえカルシウムが豊富な食品をしっかり摂取しても、からだに吸収されるのはほんのわずかである場合もあります。

そのようなカルシウムの吸収率をアップしてくれるのがビタミンDです。

ビタミンDには、自分と一緒にカルシウムを血液中に取り込む働きがあります。そのため、単体でカルシウムを摂取するよりも吸収率を高めてくれます。

また、ビタミンDにはカルシウムが排泄されてしまうのを防ぐ働きもあります。

からだの中に吸収されなかったカルシウムは老廃物と一緒にからだの外へと排出されますが、それを防ぐのがビタミンDです。

さらに、骨代謝のバランスを整えるのもビタミンDの役割です。骨は一見すると何も変化がないように感じますが、骨の中では古い骨と新しい骨の入れ替わりが行われています。これを骨代謝といいます。

この骨代謝のバランスが整っていることで、骨の健康は保たれています。つまり、ビタミンDにはカルシウムのはたらきを助ける役割があるため、子供の成長に密接に関わっているわけです。

ビタミンDは骨の成長サポートには欠かせない栄養素

ビタミンDは、子供のうちにこそしっかり摂取すべき栄養素の一つです。ビタミンDがただちに摂取不足になるようなことは考えにくいですが、意識的に摂取することによって、骨の健康を維持しやすくなり、身長のサポートにも関係してきます。

さらに、からだの機能についても重要な栄養素の一つです。

ビタミンDは子供の成長に欠かせない栄養素の一つであるといえます。

ビタミンDは他のビタミンと違って、ホルモンとしての働きもあります。そのため、ビタミンDをしっかりと摂取することは、ホルモンバランスを整えることにも影響を与えると言われています。

成長期の子供のからだは、大人のからだになるために様々な準備を行っています。

特に、カルシウムやビタミンDというのは、身長にも関わる栄養素の一つです。

摂取不足になりにくい栄養素だからといって軽視せず、できるだけ意識的に摂取するのが理想です。そして、カルシウムの吸収率をアップするためにも、ビタミンDを含んでいる食品と一緒にカルシウムを摂取するのが望ましいです。

子供はビタミンDがどれくらい必要？

子供はビタミンDをどれくらい摂らなければいけないのか、また普段からどの程度摂取しているのか確認してみましょう。

推奨量と平均摂取量は厚生労働省の「平成29年国民健康・栄養調査結果の概要」「日本人の食事摂取基準（2015 年版）の概要」を参考にしています。

6歳～17歳までの平均摂取量と推奨摂取量を紹介

	厚生省の推奨量	平均摂取量
6～7歳	男：3.0mg	男：3.9mg
	女：3.0mg	女：3.7mg
8～9歳	男：3.5mg	男：6.0mg
	女：3.5mg	女：5.4mg
10～11歳	男：4.5mg	男：6.0mg
	女：4.5mg	女：5.4mg
12～14歳	男：5.5mg	男：6.0mg
	女：5.5mg	女：5.4mg
15～17歳	男：6.0mg	男：7.2mg
	女：6.0mg	女：5.0mg

ビタミンDが不足すると子供の成長にどう影響するのか

ビタミンDが子供の成長に必要であるとは分かっても「なぜ必要なのか分からない」という方もいるのではないでしょうか。

ビタミンDは子供の成長にも関わる栄養素の一つですので、しっかり摂取させたいところです。そこで、ビタミンDが不足すると子供の成長にどう影響するのか、事前に把握することが大切です。

成長している子供のからだは、大人よりもたくさんの栄養素を摂らなければいけない場合があります。

ビタミンDの摂取量が不足すると、子供のからだに生じる影響として、以下のことが考えられます。(参考：統合医療情報発信サイト「ビタミンD」)

カルシウムの吸収率の低下

前述した通り、ビタミンDにはカルシウムの吸収率をアップする効果があります。そのため、ビタミンDを摂取する量が減少すると、それに伴ってカルシウムの吸収率も低下します。

もちろん、カルシウム単体で摂取したとしても、まったくカルシウムが吸収できないわけではありません。しかし、カルシウムは吸収率の悪い栄養成分なので効率的に吸収できなくなります。

つまり、ビタミンDを摂取する量が減るとカルシウムの吸収率が減ることにつながります。

ビタミンDの過剰摂取による危険性は

ビタミンDは子供の身長をサポートするなど、成長に影響を与えることから、しっかりと摂取させたいと願うようになった親御さんもいることでしょう。

しかし同時に、「過剰摂取の心配はないの？」と思う方もいるのではないでしょうか。

ビタミンDの摂取不足になると子供の成長にも影響を及ぼす可能性があり、できれば積極的に摂取したいですが、どのラインが過剰摂取になるのか気になります。

過剰摂取するとどのような影響があるのかも知っておきたいところです。

0歳から18歳までの耐容上限量

ビタミンDをはじめとする栄養素は、どの程度なら摂取しても良いかという上限量が決まっています。上限量は栄養素によって異なりますが、ビタミンDも同様に上限量をこえて摂取すると過剰摂取になってしまいます

もちろん、上限量を超えなかったからといって副作用が起きないわけではありません。反対にいうと、上限量を超えたからといって、必ず副作用が起きるわけでもありません。副作用が起きるかどうかは個人差によります。

ビタミンDの耐容上限量

ビタミンDの耐容上限量は、年齢によって定められています。

ビタミンDの耐容上限量
1歳未満	25μg
1歳から2歳	20μg
3歳から5歳	30μg
6歳から9歳	40μg
10歳から11歳	60μg
12歳から14歳	80μg
15歳から17歳	90μg
18歳以上	100μg

からだの成長をしている子供のうちは細かくビタミンＤの耐容上限量が決められているので、摂取量を意識するのが重要です。

食事からの摂取が困難なため耐容上限に届く可能性は考えにくい

年齢によって耐容上限量が定められていると聞くと、ビタミンDをしっかり管理しないと心配になるのではないでしょうか。

しかし、どの栄養素も摂取量をμg単位で管理するのは非常に難しいです。

しかも、ビタミンDが多く含まれている野菜でも「これくらいの量が含まれていますよ」と目安を提示できても、1つ1つの野菜に正確にどの程度含まれているかは実際分かりません。

そうなると「積極的に摂取したら、すぐに耐容上限量を超えてしまって過剰摂取になるのでは？！」と心配になります。

実はビタミンDは子供の身長や成長にサポートに役立つ栄養素の一つでありながらも、食事からの摂取が難しいといわれています。

なぜ食事からの摂取が難しいかというと、ビタミンDを豊富に含んでいる食品の数が少ないからです。

ビタミンDを豊富に含んでいる食品といえば、うなぎやひらめなどの脂肪性の魚類ですが、それらを毎日食べる機会はないのではないでしょうか。

食卓に取り入れやすいビタミンDの豊富なさんまでも、それを含んでいる量は100gあたり18μgです。つまりさんまを丸々1匹食べたとしても、ビタミンDの耐容上限量を超すことは考えにくいです。

サプリによる過剰摂取は要注意

子供の身長や成長サポートのために「サプリを利用しよう」と考えるご家庭もあるのではないでしょうか。

実際に、ビタミンDをはじめとする様々な栄養成分の摂取量が不足している場合にはサプリも一つの手段です。

しかし、ビタミンDをメインに含んでいるサプリを活用する場合、過剰摂取に注意が必要です。

サプリだとビタミンDそのものを摂取することになります。そのため、過剰摂取にならないように定められた量を守らなくてはいけません。

ビタミンDをたくさん摂れる食品一覧

ビタミンDの過剰摂取のリスクを考えると、できるだけ食事から摂取するのが理想です。子供の身長や成長を気にするのであれば、ビタミンDを豊富に含んだ食品を日々の食事に取り入れるのが理想的です。

そうするためには、ビタミンDを豊富に含んでいる食品を知ることが大切です。「最近、ビタミンDが少ないかな」と気づくためにも、ビタミンDが豊富な食品を知ることから始めましょう。

ビタミンDを豊富に含んでいる食品といえば、乾燥きくらげです。100gあたり85.4μgのビタミンDが含まれています。動物性の食品でいうと、かつおの塩からが最も多く含まれています。その量は100gあたり120μg。

生あんこうの肝もビタミンDを豊富に含んでいます。100gあたり11μg。しかし、これらの食品は日常的に食卓に取り入れるものではありません。

日々の食事の中で取り入れやすいものに、干ししいたけがあります。ビタミンDが100gあたり12.7μg含まれています。

さんま、マサバも食卓に取り入れやすい食品ではないでしょうか。ビタミンDの量は、さんまが100gあたり19μg、マサバが100gあたり11μgです。

ビタミンDの不足が気になるお子さんにはマルチサプリ

お子さんの中にはビタミンDを豊富に含んでいる食品が苦手で、なかなか摂取が難しい場合もあるのではないでしょうか。

あくまで食事がベースになりますが、そんな時は子供用のサプリメントも食事とあわせて利用してみるのも選択肢の一つです。

「え？さっきサプリはあまり良くないって言っていたのでは？」

このように疑問を抱く方もいるかもしれませんが、今回お伝えするのは子供用サプリやマルチサプリです。

ビタミンDメインのサプリとの違いは、ビタミンDの含有量です。

子供用のサプリやマルチサプリはビタミンDをメインに配合しているわけではありません。

様々な栄養素をバランスよく配合しているため、ビタミンDの過剰摂取にも配慮されています。

もちろん、1日に目安とされている量を超えて摂るのはどのようなサプリメントでもダメです。

子供用のサプリやマルチサプリはビタミンDだけでなく、他の栄養素の摂取も総合的にできるのが特徴です。

さらに言うと、子供用のサプリであれば、子供の成長を考えた配合がなされているものが数多く販売されています。

好き嫌いが多くてなかなかビタミンDの摂取が難しいという子供には、子供用のサプリやマルチサプリを活用して、上手に摂取する方法も考えてみてはいかがでしょうか。ただし、あくまでも補助的に活用するのが理想的です。

まとめ

ビタミンDは、骨の健康を保つために必要な栄養素の一つです。そのため、成長している子供にとって欠かせない栄養素の一つであり、身長サポートのためにも積極的に摂取するのが理想です。

ビタミンDが骨の健康に役立つのは、カルシウムの吸収率を高めるからです。カルシウムは単体だけでは吸収率の低い栄養素の一つなので、子供の成長や身長サポートのためにカルシウム豊富な食品を摂取しても、実際に吸収できるのはそこまで多くありません。

そこで、ビタミンDと一緒にカルシウムを摂取することによって、その吸収率を高める働きがあります。

ビタミンDの摂取は子供のうちからが理想

ビタミンDの摂取を子供のうちからしっかりと摂っておくのが理想です。ビタミンDを摂取することはからだを成長させるだけではなく、将来の健康にもつながります。

しかしながら、ビタミンDはどんな食品にも含まれているわけではありません。ビタミンDを豊富に含んでいる食品はそんなに多くありません。

したがって、日頃からビタミンDを意識した食品を取り入れ、少し足りないと感じる場合には、子供用サプリの活用も一つの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。